My徒然日記帳

スナップショットの感覚で世の中の事象をとらえ、浮かんだ考えを気ままに綴っていきます。

謎の円盤 UFO

皆さんも子供の頃の懐かしい番組があると思いますが、私が小学生の頃は『謎の円盤UFO』というのがありまして、一番印象に残っています。時間は確かゴールデンタイム(午後7時~8時)でした。『サンダーバード』で有名なゲイリー・アンダーソンの手によるイギリスのSFドラマです。それまで観ていた特撮物の『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』などに比べ、物語が大人っぽいのが子供だった私にはものすごく格好良くて、夢中になって観ていました。番組の最後に、映画評論家の小森和子さん(小森のおばちゃま)の語りが入って、その後にプラモデルのプレゼントがあり、欲しくて街中のプラモデル屋さんを巡ったのを憶えています。特に「スカイ・ダイバー」が人気で、どこも売り切れで中々手に入らなかったですね。手に入れたときはもう嬉しくて嬉しくて、DVD BOXの付録本で庵野秀明さんもやりましたって言ってましたが、ゼンマイを抜いて風呂場でスカイ1の発射をやって遊んだうちの一人です。

謎の円盤UFOのオープニング。乗り物が次々と登場して、その解説にしびれました。

登場人物で一番カッコイイと思ったのは言うまでも無く「沈着冷静な」ストレイカー司令官で、そのほか、フォスター大佐、フリーマン大佐、エリス中尉、レイク大佐、ドクター・ジャクソン等々、魅力的な登場人物が沢山いました。

時間凍結エリアの外にいて凍結を逃れたストレイカー司令官とレイク大佐。

ストーリーの中で一番印象深かったのは、第24話の「UFO時間凍結作戦」ですね。宇宙人が地球防衛組織シャドーの司令部の一帯の時間を止めてしまい、その間に司令部を攻略しようとする話で、今観ると子供だましなんですが、当時はこれは凄いと思ったんですね。ただ時間が止まってるから俳優さんが動かないで頑張ってるんだけど、よく見るとみんなグラグラで、そこがご愛敬というか面白いです。

シャドーの隊員に裏切り者がいて、姿の見えない敵を探知機を頼りに探す二人。

ヨーロッパの1970年頃の古い映画の中で、特にイギリスが制作したものって、怪しげで気味の悪い人形が出てきたり、サーカスとか道化師とか、なんか独特の雰囲気がありますよね。謎の円盤UFOもそういうのが時々出てきて、今観ても凄いなと思います。レイク大佐のファッションも最高ですね。

バズーカ砲でUFOを狙うストレイカーだが、発射ロックの解除キーを盗まれてしまう。

途中、キーの奪い合いをやるシーンが有って、シャドーの秘密基地の隠れ蓑になっている映画会社の中でおもちゃみたいな車で鬼ごっこをするんですが、時間の巻き戻しをしたり、過去のストレイカーが登場したりして、見所満載です。

時間の巻き戻しによって自分に遭遇するストレイカー。時間を操る敵に弾が当たらない。

結局最後は敵が墓穴を掘って、頭の冴えたストレイカー司令官がキーを奪い返し、UFOを打ち落とすんですけど、時間凍結に逆らうために打った注射(活動能力を10倍に増す薬)のせいで、制御が効かなくなって暴走を起こします(シャドーのみんなを起こすために司令部を壊したって解説が入るんだけど、ちょっと違うと思う→時間が戻って活動能力がウン十倍になったから?)。

キーを奪い返して、見事UFOを仕留めるストレイカー司令官。しかし彼は暴走を始める。

このストレイカー司令官がバズーカを撃つシーンって、後で見返してみると、なんか『機動戦士ガンダム』がビームライフルを撃つシーンに影響を与えている気がします。その他、全話を通じて各所に後の作品への影響を見ることが出来ると思います。

ドクター・ジャクソンの投薬で正気を取り戻したストレイカー。ジャクソンが皮肉を言う。

もう一つだけ紹介しておきたいのが、第20話「謎の発狂石」ですね。映画制作現場の裏をかいた傑作です。

突然、映画舞台の中に入ってしまうストレイカー司令官。UFOが残した石のせいだった。

シャドー内部で突然次々と発狂者が出て、殺される隊員がどんどん増えていきます。発狂者の共通点を追っていくと、UFOの謎の自爆の現場に関わっていることが見えてきます。現場で拾った石に触った人間が幻覚を見る様になるのですが、ストレイカー司令官も知らずに石に触れてしまう。表向きは映画会社の社長を装っているストレイカーですが、突然シャドー司令部が映画のセットに見えるという幻覚に襲われます。

自分の生い立ちの映画を見せられるストレイカー。幻覚がどんどんエスカレートする。

このシーンの切り替わりが凄いんです。ヘンダーソン長官と激しく言い争いをしている時に、「カーット!」のかけ声でストレイカーが突然映画の撮影現場の役者になっているわけです。これを観ている我々は、謎の円盤UFOの撮影セットが全部見られるというのも面白いのですが、なんか劇中劇を見ているみたいで複雑な気分になります。こういう話を思い付くって本当に凄い。

スカイ・ダイバー艦内の隣はムーン・ベースの撮影現場。シャドー隊員の演技が上手い。

最後は、自分が幻覚の中にいることに気がついたストレイカーが、石が原因ではないかと疑って石を壊すんですが、正気に戻った時はまさに銃で狙われて殺される直前でした。危なかったですね、ストレイカー司令官。

殺される直前で我に返ったストレイカー司令官。いろいろと見所が多い「謎の発狂石」。

謎の円盤UFO』はその他にも面白い話がたくさん有って、できればDVDを買って、全部見て欲しいですね。最後に現在の私のコレクションを掲載しておきます。

謎の円盤UFOのミニチュア・コレクション